セキュリティエンジニアの関連資格一覧とオススメ11選!目的や難易度に合った資格を取得して年収アップ!


多種多様なサイバーセキュリティ・情報セキュリティ関連の資格。
どの資格を取得すれば仕事にメリットがあるか、悩んでしまいます。
セキュリティ関連の資格は、目的がそれぞれ異なるだけでなく、資格の活用方法や取得難易度も異なるためです。

このコラムでは、特に「セキュリティエンジニア」のために選ぶべきおすすめの資格11個を紹介し、それぞれの資格の特徴と難易度について掘り下げていきます。また、資格取得後のキャリアチャンスやセキュリティエンジニアのキャリアパスについても詳細を説明します。さらに、資格取得のための学習方法やそのメリットについても触れ、情報セキュリティのスペシャリストとしてのスキル向上と年収アップのポイントを解説します。

セキュリティエンジニアにおすすめの資格11選

※赤…国家資格、青…公的資格、緑…民間(ベンダー)資格

情報処理安全確保支援士

主催団体独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

情報処理安全確保支援士(略称:登録セキスペ)は、経済産業大臣が認定する国家資格です。取得すると、サイバーセキュリティに関する相談や情報提供、助言、状況調査や分析などを通じて、企業や組織における情報セキュリティを支援できる人材とみなされます。
情報システムや組織を狙う脅威や脆弱性を評価し、技術面・管理面で有効な対策を講じる責任を担う、セキュリティエンジニアや情報システム管理者におすすめしたい資格です。
情報処理安全確保支援士として活動するには、合格後、登録セキスペとして登録する必要があります。

難易度 合格率 受験料
7 / 10 21.9%(令和5年度秋期) 7,500円

(ISC)2 CISSP(Certified Information Systems Security Professional:セキュリティ プロフェッショナル認定資格)

主催企業(ISC)2

米国の非営利団体「 (ISC)² (International Information Systems Security Certification Consortium)」が認定する資格試験です。

セキュリティ専門家としてのスキルの裏付けとして活用できるため、IT技術者がキャリアアップの手段として受験することの多い試験です。

日本国内での認知度は低いものの、世界的に通用するセキュリティ専門資格であるため、取得すると特に外資系企業では高く評価してもらえるでしょう。
CISSP(Certified Information Systems Security Professional)」の試験は8ドメイン全体を大きく3つの分野「概念と設計、計画」「実装と技術」「運用と評価」に分類して行われます。認定を受けるには、CISSPの8ドメインのうち2 ドメインに関連した5 年以上の業務経験があることが求められますが、業務経験がなくても試験の受験と合格は可能です。

難易度 合格率 受験料
9 / 10 非公開 749USD(約11万円

CompTIA Security+

主催団体CompTIA
CompTIA Security+は、世界規模で認定されている基本的なITセキュリティの知識とスキルを評価するベンダーニュートラルな認定資格です。
次のような範囲から出題されており、セキュアなネットワークの維持とリスク管理に関する問題が多く問われています。

  • リスク評価と管理
  • インシデントレスポンス
  • フォレンジック
  • エンタープライズネットワーク
  • ハイブリッド/クラウドの運用
  • セキュリティコントロール

CompTIA Security+は、ITセキュリティに関するキャリアを築くための第一歩となる資格の位置付けであるため、難易度は初級~中級程度です。

また、この資格には3年間の有効期限がある点に注意が必要です。試験の再受験やプログラム参加などで資格が継続できます。

難易度 合格率 受験料
6 / 10 非公開 50,672円(税込)

価格変動あり

AWS認定セキュリティ専門知識試験(AWS Certified Security – Specialty)

主催企業Amazon Web Services, Inc.

AWS認定セキュリティ専門知識試験:AWS Certified Security – Specialty 試験 (SCS-C01) 」は、AWS クラウドにおけるデータやワークロードのセキュリティに関する専門知識を認定する試験です。AWS のワークロードの保護に関する最低 2 年間の実務経験を持つセキュリティ担当者を対象とした試験ですが、実務経験がなくても受験可能です。

次の5分野から出題されます。

出題分野 出題比率
インシデントへの対応 12%
ログと監視 20%
インフラストラクチャのセキュリティ 26%
IDおよびアクセス管理 20%
データ保護 22%

 

難易度 合格率 受験料
8 / 10  非公開 300 USD(約44,000 円

Microsoft Azure セキュリティ テクノロジ AZ-500

主催企業Microsoft

Microsoft Azure Security Technologies(AZ-500)は、ID とアクセスの管理・プラットフォーム保護の実装・セキュリティ運用の管理・データとアプリケーションの安全確保などの技術的タスクについて問われる試験です。

主にAzureセキュリティエンジニアを対象としているものの、実務経験がなくても受験は可能です。ただし、実際は、セキュリティ実装手順やネットワーク構成上の注意点なども問われ、Azureのセキュリティ関連サービスの実装経験がないと回答できない内容が含まれています。また「Azure Security Engineer Associate」認定を受けるための、取得必須資格となっています。

難易度 合格率 受験料
7 / 10  非公開 21,103円(2022年7月現在

公認情報セキュリティマネージャー(CISM)

主催団体ISACA(情報システムコントロール協会)

公認情報セキュリティマネージャー(CISM:Certified Information Systems Auditor)は、情報セキュリティの国際的資格です。

公認情報セキュリティマネージャー(CISM)試験は、企業や組織における情報セキュリティプログラムに関する、マネジメント・設計・監督を行う次のような人を対象としています。

  • セキュリティマネージャー(Security managers)
  • セキュリティ担当役員(Security directors)
  • セキュリティ担当役職者(Security officers)
  • セキュリティコンサルタント(Security consultants)
難易度 合格率 受験料
9 / 10 非公開 US$760(約11万円
早期割引・会員割引あり

公認情報システム監査人(CISA)

公認情報システム監査人(CISA)は、情報セキュリティの国際的資格です。試験問題は、次のような最新の情報システム監査業務に関する、5つのドメイン(実務領域)から出題されます。

  • ドメイン1 情報システム監査のプロセス 21%
  • ドメイン2 ITガバナンスとITマネジメント 17%
  • ドメイン3 情報システムの調達、開発、導入 12%
  • ドメイン4 情報システムの運用とビジネスレジリエンス 23%
  • ドメイン5 情報資産の保護 27%

公認情報システム監査人(CISA)の大きな特徴は、資格取得後の認定維持条件が厳しいことです。認定取得後、毎年20 時間、継続専門教育 (CPE: Continuing Professional Education) を受講、かつ3年間の報告期間中に、CPEを120 時間受講することなどが義務付けられています。

難易度 合格率 受験料
8 / 10 非公開 US$760(約10万円
早期割引・会員割引あり

GIAC Penetration Tester (GPEN:GIACペネトレーションテスター認定)

主催企業SANS Institute

米国ワシントンDCに本部をおくSANS Instituteは、政府や企業におけるITセキュリティ研究や、従業員のセキュリティ教育を目的とした組織です。

SANS Instituteが、情報セキュリティにおける必要な知識やスキルを、入門レベルから高度な専門性を有するレベルまで、体系化した資格試験がGIAC(Global Information Assurance Certification)試験です。

GPEN(GIACペネトレーションテスター認定:GIAC Penetration Tester)」は、ネットワークやシステムの評価を主に担当するセキュリティ技術者を対象とした試験です。

問題は、選択問題とハンズオン形式の問題とに分かれており、ハンズオン形式ではブラウザ上でVMを操作し、選択式の回答の中から正答を選択します。なお、2022年7月現在、試験は日本語化されていないため、すべて英語で行われます。

難易度 合格率 受験料
9 / 10  非公表 $8,589=約118万円(トレーニング込)

*SEC560 OnDemand:GPEN: GIAC Penetration Tester ― $7,640 =約105万円

*GPEN受験料 ― $949=約13万円

シスコ技術者認定 CyberOps Professional

主催企業シスコシステムズ

シスコシステムズ社は、セキュリティ以外にも、データセンター・自動化・設計など様々な技術分野ごとに認定試験を実施し、シスコ認定として体系化しています。

シスコ認定は、世界的に見ても広く認められている資格です。
初心者向けのエントリー資格から、エキスパート向けまで、各レベルに応じた資格にチャレンジすることができます。

CyberOps Professionalは、セキュリティオペレーションセンターなどで、インシデントレスポンスやクラウドセキュリティを担うシニアアナリストにふさわしい、高度なスキルを持つことを証明する資格です。

CyberOps Professionalは、コア試験とコンセントレーション試験の2つの試験から構成されています。

難易度 合格率 受験料
7 / 10 非公開 US$400(約5万3000円)+ US$300(約4万円)+

シスコ技術者認定 CCNP Security

主催企業シスコシステムズ

CCNP Securityは、セキュリティソリューションのスキルを証明する資格です。CCNP Security 認定を取得するためには、ルータ・スイッチ・ネットワーキング デバイスやアプライアンスのセキュリティと、ファイアウォール・VPN・IDS/IPS ソリューションのネットワーク環境に対する選択・導入・サポート・トラブルシューティングに関するスキルが必要です。

CCNP Securityは、コア試験とコンセントレーション試験の2つの試験から構成されています。

難易度 合格率 受験料
9 / 10 非公開 US$400(約5万3000円)+ US$300(約4万円)+

CompTIA CySA+

主催団体CompTIA

CompTIA CySA+は、世界規模で認定されているベンダーニュートラルな認定資格です。

ネットワークとデバイスのビヘイビア分析およびセキュリティモニタリングを通して、脅威を検出・防止・対処するスキルを証明する資格試験です。

単一/複数選択問題の他、シミュレーション環境上で、設定やトラブルシューティングを実施するスキルを評価するパフォーマンスベーステスト(シミュレーション)が含まれています。

難易度 合格率 受験料
7 / 10 非公開 50,672円(税込)
価格変動あり

資格取得後のセキュリティエンジニアのキャリアチャンスは?

セキュリティエンジニアとしての資格取得後、キャリアチャンスにはさまざまなメリットがあります。セキュリティエンジニアには資格がなくてもなれますが、取得しておいた方が様々なキャリアチャンスに繋がります。

資格を持っていないセキュリティエンジニアとの違い

資格を持っているセキュリティエンジニアは、持っていないセキュリティエンジニアに比べて採用や報酬、信頼性など有利になる機会が多いです。以下は、資格を持っているセキュリティエンジニアと持っていないセキュリティエンジニアとの違いについて詳しく説明します。これらの要素から、セキュリティエンジニアにとって資格取得がキャリアにおいて非常に重要だということが推測できます。

セキュリティポジションへのアクセスの機会

資格を持つセキュリティエンジニアは、高度なセキュリティポジションへのアクセスの機会が増えます。例えば、(ISC)²のCISSPを持つエンジニアは、セキュリティアーキテクトのポジションに応募でき、CISSPの保持者はセキュリティマネージャーとしてのキャリアに進むことができます。また、企業や組織は、資格を持つ専門家をセキュリティリーダー、アーキテクト、ペネトレーションテスターなどの役職に採用することが一般的です。

給与と報酬

資格取得によってセキュリティエンジニアの給与と報酬が向上することがあります。例えば、CISSPを持つエンジニアの平均年収はアメリカで10万ドル以上と言われており、その他の資格でも高収入を実現できます。高度な資格を持つことで、給与やボーナスが増額されることがあります。セキュリティ分野は高度な専門知識とスキルが求められ、企業はその価値を認識して高額な給与や報酬を提供することがあります。資格は、個人の市場価値を向上させる一因となります。

スキルと知識の証明

資格は、セキュリティエンジニアのスキルと知識を公式に証明する手段です。例えば、CEH(Certified Ethical Hacker)の資格を持つエンジニアは、倫理的ハッカーとしてのスキルを証明し、GIACのGPEN保持者はペネトレーションテストのスキルを証明します。これは、履歴書やプロフィールで他の候補者と競争する際に大きなアドバンテージとなります。資格を持つことで、自身の専門知識と経験を外部の評価者に認めてもらうことができ、雇用主やクライアントに対して信頼性を高めます。これは新しいプロジェクトや職場での信頼性を構築するのに役立ちます。

クライアントからの信頼性

クライアントはセキュリティプロジェクトやコンサルティングサービスの提供者に対して、信頼性が求められます。資格を持つエンジニアは、その専門知識とスキルを証明するため、クライアントからの信頼性を高めます。セキュリティ課題に対する専門家としての評判が高いと、新規クライアントの獲得や既存クライアントからのリピートビジネスの機会が増えます。

資格の取得は今後のキャリアチャンスをつかむメリットが沢山

これらのメリットは一般的なケースであり、具体的な数字は市場や地域によって異なります。セキュリティエンジニアは資格取得によってキャリアを強化し、自身の市場価値を向上させる機会を得ることができます。

保持資格別!主なセキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティアナリスト

  • 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
  • CompTIA Security+
  • CompTIA CySA+
  • (ISC)² CISSP

セキュリティアナリストはセキュリティインシデントの検出、解析、対応を担当します。
上記資格の取得は、セキュリティ分野の基本的な知識・スキルを証明し、セキュリティエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることができます。

セキュリティマネージャー

  • 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
  • (ISC)² CISSP(Certified Information Systems Security Professional:セキュリティ プロフェッショナル認定資格)

セキュリティマネージャーはセキュリティプログラムを立案、実施、監視する役割を担当します。CISMやCISSPの資格を取得することで、セキュリティマネージャーとしての職務に進む準備ができます。

ペネトレーションテスター

  • GIAC Penetration Tester (GPEN:GIACペネトレーションテスター認定)
  • CompTIA CySA+
  • (ISC)² CISSP

これらの資格は、ペネトレーションテスターとしてのスキルを向上させ、セキュリティテストと脆弱性診断の分野での専門知識を提供します。特にGPENは、ペネトレーションテスターとしてのスキルを証明するための高度な資格として知られています。

クラウドセキュリティスペシャリスト

  • AWS Certified Security – Specialty
  • Microsoft Azure セキュリティ テクノロジ AZ-500

クラウドセキュリティスペシャリストはクラウド環境のセキュリティを担当します。AWSとAzureの認定資格は、クラウドセキュリティ分野での専門的な知識を示すのに役立ちます。どちらのクラウドプロバイダーを使用するかに応じて、資格を選択するのがおすすめです。

セキュリティエンジニアの資格取得のための学習方法

オンラインサービスの利用

オンラインサービスは、セキュリティエンジニアが資格取得のための柔軟で効果的な学習方法として利用できます。
ウェブ上の専門的なコースやトレーニングプラットフォームを活用し、自分のペースで学習を進めることができます。また、オンラインフォーラムやコミュニティを通じて他の学習者と情報を共有し、実践的な経験を積むことも可能です。オンライン学習は時間と場所に制約を受けず、リソースにアクセスできるため、多くのセキュリティエンジニアにとって魅力的な選択肢です。

スクールに通う

専門学校や大学のセキュリティ関連のプログラムに参加することは、より体系的な教育を受ける方法です。
教室での指導や実践的なラボ環境を提供することで、学生は基本的なから高度なセキュリティスキルを習得できます。また、学位プログラムを通じて理論的な知識も獲得できます。スクールに通うことで、資格取得だけでなく、セキュリティ分野での深い理解も得られます。

勉強会・セミナーへの参加

セキュリティに関する勉強会やセミナーに参加することは、専門知識の獲得とネットワーキングの機会を提供します。
業界の専門家から学ぶことで、最新のトレンドやベストプラクティスを理解できます。さらに、他のプロフェッショナルと交流し、情報を共有し合うことで、自身のスキル向上とキャリアの発展に貢献します。勉強会やセミナーは実践的な知識と業界内のコネクションを築くのに役立つ重要な手段です。

よくある質問

どの資格を最初に取得すべきですか?

最初の資格は経験とキャリア目標に依存します。セキュリティ入門者にはCompTIA Security+がおすすめです。中級者向けにはCISSPやCySA+も選択肢です。

資格取得にかかる時間はどれくらいですか?

毎日の学習ペースや資格の難易度により異なりますが、一般的に数か月から数年かかることがあります。

資格を取得した後、どのようにキャリアを進めることができますか?

資格取得後、実務経験を積みつつ高度な資格を追求するか、専門分野に特化することでキャリアを発展させることができます。コネクションの構築や継続的な学習も重要です。

まとめ|資格取得で知識を継続的に向上させ、セキュリティエンジニアの年収をアップさせよう!

セキュリティエンジニアとしてのキャリアを築くには、適切な資格取得が不可欠です。選択した資格によって、スキルセットやキャリアパスが大きく変わるため、慎重に選択しましょう。資格を取得することで、知識とスキルを証明し、セキュリティエンジニアとしての信頼性を高めることができます。

また、セキュリティエンジニアは常に学び続ける必要がある職種です。新たな脅威やテクノロジーが登場するたびにアップデートされる知識を持つことは重要です。継続的な学習と業界動向への追従が、成功と年収向上への鍵となります。資格取得はその第一歩であり、その後もスキルを磨き続けましょう。

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