情報セキュリティは変化が激しく、常に最新の知識や技術を維持することが求められます。国家資格である情報処理安全確保支援士も、技術や法律の変化に適応し信頼性を維持するために、定期更新やそれに伴う定期講習の受講も必須になっています。
この記事では情報処理安全確保支援士の更新制度について詳細を解説していきます。
「情報処理安全確保支援士の更新の方法や手順を知りたい」
「情報処理安全確保支援士の資格維持の概要や費用が分からない」
という方は参考にしてみてください!
情報処理安全確保支援士を名乗り続けるには3年毎の更新が必要
情報処理安全確保支援士の資格を保持し続けるためには、3年毎に更新手続きを行う必要があります。これは、技術や法律の変化に対応し、資格を有効なものに保つための措置です。
登録の更新制導入の目的
登録の更新制度が導入された背景には、次のような目的があります。
- 信頼性の確保
更新制度を導入することで、最新の知識やスキルが維持されていることが証明でき、情報処理安全確保支援士の資格が信頼できるものであることを維持します。また、欠格事由に当てはまっていないかなどの精査を定期的に行うことも目的の一つとされています。定期的な更新が行われていない場合、資格が無効になるため、利用者や顧客からの信頼が失われる可能性があります。 - 技術の進歩への対応
情報処理技術は急速に加速しており、新しい脅威やセキュリティ対策が常に現れています。定期的な講習の受講と資格の更新を通じて、支援士が最新の知識やスキルを維持できるようにします。 - 法律や規則の変化への対応
セキュリティ関連の法律や規制も頻繁に変更されます。更新手続きを通じて、支援士が最新の法的要件に適合することが求められます。
未登録や、更新なしだとどうなるのか
更新手続きを怠ったり、期限を過ぎて更新しなかった場合、以下のような影響が考えられます。
- 資格の失効
更新手続きを行わないと、資格が失効します。これは、情報処理安全確保支援士の資格を持つ権利や称号を失うことを意味します。 - 情報処理安全確保支援士を名乗り続けることができなくなる
資格が失効すると、情報処理安全確保支援士を名乗ることができなくなります。これは、キャリアに影響を与える可能性があります。 - 再登録手続きの必要性
資格が失効した場合、再度登録手続きを行う必要があります。この場合、通常の登録手続きとは異なる要件や手続になる場合があります。
情報処理安全確保支援士としての資格を維持するためには、定期的な更新手続きを怠らずに行うことが重要です。
参考:登録セキスペ 更新について/独立行政法人情報処理推進機構
情報処理安全確保支援士の更新制度について
情報処理安全確保支援士の更新制度は、資格の有効期限を定め、定期的な更新手続きを通じて資格の維持を促す仕組みです。
試験合格から登録、更新の手順
情報処理安全確保支援士試験に合格する
情報処理安全確保支援士試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施している試験であり、情報セキュリティにあ関する技術や知識を問うものです。試験には合格基準があり、合格することで情報処理安全確保支援士の資格を取得できます。
合格後、登録申請手続きを行い、登録される
情報処理安全確保支援士試験に合格した後、登録申請手続きを行います。登録申請には、必要な書類や手続きがありますが、これらを満たすことで情報処理安全確保支援士として登録されます。試験に合格するだけでなく登録後に初めて「情報処理安全確保支援士」と名乗ることができます。登録申請にはIPAのポータルサイトから下記の書類提出が必要になります。
- 登録申請書・現状調査票
(Wordファイルに入力、登録免許税の収入印紙(9,000円)・登録手数料(10,700円)の振込を証明する書類が必要)- 誓約書(WordまたはPDFファイルに入力・記入、署名)
- 情報処理安全確保支援士試験の合格証書のコピー又は合格証明書の原本
- 戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写し(市区町村役所等で取得、原本を提出)
- 登録事項等公開届出書(Word ファイルまたはPDF ファイルに入力・記入)
- 登録申請チェックリスト(Word ファイルまたはPDF ファイルに入力・記入)
登録後、3年ごとに更新手続きを行い、資格を維持する
登録された情報処理安全確保支援士は、3年ごとに更新手続きを行う必要があります。更新手続きには、更新研修の受講が条件になります。更新手続きを怠ると資格が失効するため、定期的な更新が重要です。更新手続きのステップは下記になります。
- オンライン講習の受講(1年に1回、毎年受講)
- 実践講習または特定講習を受講(3年に1回受講)
- 登録更新申請
参照:情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)制度の見直しについて/独立行政法人情報処理推進機構
更新制度の概要
情報処理安全確保支援士の資格更新制度は、資格の有効期限を定め、定期的な更新手続きを通じて資格の維持を促す仕組みです。
情報処理安全確保支援士の資格は、一定期間ごとに更新する必要があります。これは、技術や法律の変化に迅速に対応し、資格の有効期限は通常3年ごとに更新されます。つまり、資格取得から3年後に初めて更新手続きが必要となります。更新期限は資格取得または前回の更新から3年後の日付とされます。更新期限を過ぎると、資格が失効するため、定期的な更新手続きを怠らないように注意する必要があります。
情報処理安全確保支援士試験合格後の登録期限
情報処理安全確保支援士の更新制度は、資格の有効期限を3年とし、3年毎に更新手続きを行うことで資格を維持します。更新手続きには、更新研修の受講と試験の合格が必要です。
登録更新サイクル
例えば2024年の4 月に登録をした場合、下記サイクルでの講習受講および更新申請が必要になります。
- ~2024年10月1日:情報処理安全確保支援士登録(更新)
- ~2025年9月31日:オンライン講習(2024年度分)
- ~2026年9月31日:オンライン講習(2025年度分)
- ~2027年8月1日:オンライン講習(2026年度分)
- ~2027年8月1日:実践講習または特定講習を1回受講
- ~2027年8月1日:登録更新の申請
講習の受講は情報処理安全確保支援士の資格更新に必須
情報処理安全確保支援士の資格を更新するためには、定期的な講習の受講が必要です。講習は期限内の受講が求められており、受講後の確認テストで全問正解することで講習修了とされます。
オンライン講習は毎年受講する義務がある
オンライン講習は、情報セキュリティの最新動向や法律の変更に即した知識を更新するため、毎年受講する必要があります。講習費用は1回につき20,000円のため、3年間のトータルは60,000円になります。
実践講習または特定講習は3年に1回の受講義務がある
実践講習または特定講習は、実務経験の蓄積や特性分野のスキルを向上されるため、3年に1度の受講が義務付けられています。IPAが主催する実践講習だと、最安80,000円で受講可能です。民間事業者の特定講習は10万円以上のものもあります。
参照:IPAが行う実践講習について/独立行政法人情報処理推進機構
参照:民間事業者等の特定講習(PDF)/経済産業省
情報処理安全確保支援士の登録・更新のトータル必要費用
情報処理安全確保支援士の資格登録時に掛かる費用が2万円に加え、3年ごとに最低でも14万円の更新費用が掛かります。
登録申請費用
登録申請費用はトータル20,000円です。内訳は下記になります。こちらは初回のみかかる費用で、更新時にはかかりません。
- 登録免許税の収入印紙…9,000円
- 登録手数料…10,700円
- 住民票写し取得費用…300円
講習受講費用
講習受講費用は最低でも3年間で14万円かかります。内訳は下記になります。毎年オンライン講習の受講費2万円かかるのに加え、3年に1回の実践講習で8万円以上の費用が必要になります。実践講習はIPAが主催するものが最安の8万円になります。
- 毎年受講必須のオンライン講習…60,000円(20,000円×3年分)
- 3年に1回受講必須の実践講習…80,000円~
情報安全確保支援士の登録・更新のメリットとデメリット
情報処理安全確保支援士の登録・更新には、専門知識や信頼性の向上、キャリアの発展、法的規制への適合といったメリットがあります。一方で、費用と時間の負担、定期的な更新の必要性、資格の有効性への疑念がデメリットとして挙げられます。特にコスト面で更新を断念するケースもあるため、総合的な面から資格取得・登録・更新の是非を判断する必要があります。
情報処理安全確保支援士の所持メリットについて詳細を知りたい方は、下記記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ:更新のポイントを押さえて、資格をフル活用しましょう
情報処理安全確保支援士の資格をフル活用するためには、定期的な更新が不可欠です。更新のポイントを押さえて、資格を維持し、最大限の効果を得ることが重要です。更新には、適切な研修の受講や試験の合格、更新申請手続きの完了が必要です。また、更新の際には新たな情報や技術の習得にも注力し、常に最新の知識を持つことが求められます。定期的な更新を通じて、自身の専門スキルを高め、市場価値を確立させましょう。